「良い機器を買えば、良い音に出会える。」——それは、半分正解で半分間違いです。こだわって選んだスピーカーやアンプを手に入れても、「なぜか心が動かされない」と感じたことはありませんか?その原因は、機器のスペックではありません。
▲ 高価な機器を揃えても、なぜか音楽に心が動かされない、どうしてだろう?
いくら優れた機器を選んでも、スピーカーから放たれた音は、あなたの耳に届くまでに大きく姿を変えています。正体は、目に見えない2つの物理現象。これをコントロールしない限り、機器が持つ本来の実力は発揮されません。
スピーカーから直接届く音に、壁に跳ね返って遅れて届く音が重なると、まるでピントの合っていない写真のように、音の輪郭がぼやけ、ボーカルや楽器の定位も曖昧になってしまいます。
反射波を詳しく知る →お風呂の湯を一定のリズムで揺らすと、波が壁で跳ね返り、大きな波に成長します。これと同じことが、特に低音域で起きています。特定の音だけが異常に響いたり、逆にまったく聴こえなくなったりする「音のムラ」の原因です。
定在波を詳しく知る →感覚だけに頼らず、物理法則にもとづいて対策を講じることで、はじめて機器本来の実力を引き出すことができます。
部屋の縦・横・高さには、定在波の暴れを根本から抑える、科学的に導き出された最適な比率が存在します。この比率に近づけて設計することで、特定の周波数にエネルギーが集中することを防ぎます。
壁一面をすべて吸音材で覆っても、響きのない、潤いのない音になるだけです。吸音壁と反射壁を交互に配置することで、高音の煌めきを保ちながら、濁りのない、豊かな響きへと整えていきます。
▲ リスニングルームの音響設計イメージ ― 部屋の縦・横・高さの比率(黄金比)と、吸音壁と反射壁を交互に配置した壁面の例。
優れた機器、黄金比の空間、そして緻密な調音。この3つが揃って初めて、本物の音楽体験が生まれます。
黄金比の空間設計と、緻密な調音。ここまでお伝えしてきた理論が、実際にどれほどの違いを生むのか——言葉より、まず体験していただくのが一番の近道です。自宅に設計した本格リスニングルーム・ホームシアターで、実際にその効果をお確かめいただけます。
▲ 実際に自邸で使用しているリスニングルーム ― 吸音壁と反射壁を交互に配置。